執行猶予
ある一定の期間その刑の執行を猶予するということ。
「懲役1年執行猶予4年」というと、4年間悪いことをしなかったら1年の懲役にはならないということ。つまり刑務所に入らなくていい。
しかし勘違いしてはいけない。立派な有罪判決です。犯罪者です。社会生活でも「執行猶予中」ということでさまざまな不利益がある。
被告・原告
被告は民事裁判で訴えられた人。別に悪い側というわけではなく、民事裁判で訴えた側が原告となり訴えられた側が被告となる。
たとえばあなたがAくんに貸した金を返してほしい。しかしAくんは返してくれない。そのことであなたがAくんに貸した金を返すことを求め民事裁判を起こす。
この場合あなたが原告でAくんが被告。
また、あなたが借りてもいないお金をB会社が「返せ」と言ってきた。B会社はあなたにお金を返すように民事裁判を起こした。
この場合、原告がB会社で被告はあなた。
原告が正義で被告が悪というわけではない。
被疑者
犯罪の疑いをかけられた人。捜査が始まった段階で被疑者と呼ばれる。
検察官が起訴するまで被疑者と呼ばれ、起訴されるとめでたく被告人と呼ばれる。
被告人
刑事裁判で犯罪を犯した疑いをかけられている人。起訴されるまでは被疑者とよばれ、起訴されると被告人になる。刑事裁判ではこの人が主人公。
検察官
刑事裁判でやたらと被告人をいじめる人。いやもといっ!被告人を有罪に導く正義の味方?
とにかく被告人にとっては嫌な奴なのだ。
その正体は弁護士や裁判官と同じように司法試験に合格した法律に詳しいお人。
刑事裁判では被告人と弁護人の敵になり、バンバン刑が重くなるように攻撃してくる。
法廷では検察官はこのような仕事をしているが、おまわりさんに捕まった後に被疑者はこの人たちのもとに送られてくる。検察官も証拠調べなどの捜査をするのだ。捜査の結果、裁判にかけることを決めることができるのは検察官だけ。
捜査の結果、犯罪の内容・周囲の状況などを判断して、(本当は悪いことをしたはずの)被疑者を釈放する権限を持っているのも検察官だ。
疑わしきは被告人に有利に
別に裁判所で出てくる用語と言うわけではないが、これは知っていて欲しい。刑事裁判で必要となる知識だが、たとえ被告人が極悪人で被告人本人も悪いことをしたと言っていても、実際に悪いことをしたとしても、その悪いことをした人が被告人であるという証拠がしっかりそろっていないとその悪いことはしなかったこととして扱われる。これは何も悪いことをしていない人が間違えて刑務所に送られる(冤罪という)のを防ぐ目的がある。
冤罪を防ぐためならたとえ悪いことをした人が無罪放免されても仕方がないのだ。
簡単にいうと「ばれなきゃいい」ってこと。
死刑・懲役・禁錮・拘留・罰金・科料
日本での刑罰。有罪となった被告人はいずれかの刑罰を受ける。
死刑 | 絞首によって命を奪われる。日本での最高刑。この場合は死刑そのものが刑罰なので、執行されるまでは拘置所に入れられる。懲役刑を受けると所定の作業をしなければならない。 |
懲役・禁錮 | 懲役は刑務所で所定の作業をさせられる刑罰。禁錮は所定の作業がない。期間は1ヵ月以上15年以下が原則。無期の場合もある。 |
拘留 | 1日以上30日未満拘置所にいなければならない。自由を拘束する刑罰なので、懲役・禁錮と並んで「自由刑」といわれている。懲役のように所定の作業はしない。 |
罰金・科料 | 財産を奪われる。罰金と科料の違いは金額で科料は1万円未満。罰金は1万円以上。限度は犯罪ごとに定められている(たとえば刑法174条:公然とわいせつな行為をした者は、六月以下の懲役もしくは30万円以下の罰金又は拘留もしくは科料に処する)。 勘違いしてはいけないのは、コレは刑罰であるためこのお金は被害者に支払われるものではない。 また「交通違反で罰金を取られた」という人がいるが、ほとんどの場合コレは間違いで、交通違反で警察に納めるのは罰金ではなく過料である。これは「危ないから悪いことするなよ」っていう制裁で、刑罰ではない。だからもちろん前科はつかないよね。 |
勾留
処分が決まっていない被疑者もしくは被告人の身柄を確保しておくこと。処分が決まっていないので当然犯罪者ではない。逃亡の恐れや証拠隠しの恐れがある場合にできる。
刑罰である拘留とは異なるので注意。
控訴・上告 | |
判決に不服がある場合、上級の裁判所でもう一度裁判を請求することができる。
裁判を受ける権利は3回まで。
しかし、裁判所は忙しい。 |
起訴
犯罪の疑いが十分に固まったので、裁判所に裁判を始めるようにお願いすること。日本で起訴することができるのは検察官だけ。
主尋問・反対尋問
証人に対して裁判の証拠となるようなことを質問すること。主尋問は証人を請求した側がする質問。反対尋問はもう一方の当事者がする質問。
刑事裁判では検察官と被告人(弁護人)の争いになるので、検察官が請求した証人にたいしては、検察官が主尋問で弁護人が反対尋問をすることになる。
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